3.05 安全対策

3章

概要

これまでの注意点をどれだけ守っていても不慮の事態というのはいつか必ず発生する。そのような時に迅速に動けるよう事前に準備しておくべき内容について解説する。また可能であれば各拠点でも本マニュアルを参考に緊急時の対応についてマニュアル化しておくことが望ましい。

事前準備

救急セットを車か拠点に常備する

お客様が怪我や病気をした時のために使用する救急セットをすぐ出せる場所に常備しておく。怪我は骨折、打撲、切り傷・擦り傷に対応できるものを、病気は風邪、頭痛、下痢に対応する薬を置いておけば大抵のことには対処できる。
お客様が怪我や病気をした時のために使用する救急セットをすぐ出せる場所に常備しておく。怪我は骨折、打撲、切り傷・擦り傷に対応できるものを、病気は風邪、頭痛、下痢に対応する薬を置いておけば大抵のことには対処できる。
可能であれば救急セットを洞口付近の山中や洞窟内に防水ケースに入れて常備しておくと、万が一の際に迅速に対処できる。

体を温めるための準備をしておく

水や泥で体が冷えて低体温症になってしまうこともあるためタオル・レスキューシート、非常食、温かい飲み物を作るもの等があるとよい。移動する余裕がありそうなら風呂に入るか温かいご飯を食べることが根本解決になるので、銭湯や飲食店のパンフレットを拠点や車に常備しておくと地域との連携にもなって一石二鳥である。

緊急時の連絡先を確認しておく

お客様の緊急連絡先はもちろん、最寄りの病院の連絡先も確認しておくことで万が一の際に速やかに病院へ搬送できるようにしておく。また管轄の警察や消防も確認しておくと事故対応がスムーズになる。

地元の警察・消防との連携

可能であれば地元の警察・消防とは日ごろから連絡を取っておき、万が一の際にどのように動くべきかを取り決めておくと緊急時に無駄な説明や打ち合わせが省略できる。

怪我をしてしまったら

軽度の怪我であればツアーを中止して全員で洞窟から出て、速やかに病院に案内する。お客様単独で洞窟内や山中を移動させることは絶対に避ける。出来ればガイドなしで洞窟内や山中に待機させることも避けたい。待っているお客様を不安な気持ちにさせてしまう上、ガイドの目の届かないところで行動して二次被害が発生する可能性もある。

重度の怪我を負っている場合は脊髄が傷ついている可能性があるため、怪我人をその場から動かさないようにする。容態によっては体の一部を持ち上げたり寝返りをするだけで半身不随になってしまったりするケースもあり、その判断は専門知識を身に着けた人間にしか判断できない。手足のしびれや感覚がない場合は確定であるが、そのような症状が出ていないケースもあるため、動かす際には必ず本人に確認を取って了承を得てから動かすようにする。

怪我人が動けないような状態であればまずは怪我人を温めることを考える。洞窟内の冷たい岩や泥の上でじっとしていると体がどんどん冷えて状況が悪化してしまうからである。事前に準備しておいた体を温めるものを洞窟に持ち込んで温めることで次の行動をとるための猶予が生まれる。

3章

Posted by kokubo