6.02 クライミング要素のある横穴での注意点

6章

概要

横穴と呼ばれる洞窟の中には数メートル程度のクライミングが必要なものも存在する。初心者を連れて行くことはおすすめしないが、初心者コースを何度か経験した上で更にレベルの高い洞窟に挑戦したいという方がいれば検討しても良い。
ここでは洞窟の壁や隙間を登る方法や注意点について解説する。

クライミング部分を通過する時の流れ

通過する前にかならず通過方法と注意点、危険性について参加者に説明する。
説明が終わったら必ず一人ずつ通過していく。通過が完了し、安全な位置まで退避したことを確認してから次の人の通過を始める。
ガイドは参加者から目を離さないようにし、必要であればアドバイスをしたり補助を行う。

クライミング技術

スクランブリング(岩登り)

岩や壁を登る際は両手・両足を使って慎重に登る。手と足をしっかりと岩に掛けることでバランスを保つ。
クライミングの基本は「3点支持」とよく言われる。両手・両足の4本のうち、必ず3本はしっかりした足場・ホールドでバランスを保つように心がけ、2本同時に離さないように注意する。これは2点での支持ではバランスを保つことが難しく、次のホールドを掴むことが出来なければ滑落してしまうリスクがあるからである。
またホールドは見た目で判断するだけでなく、慎重に体重をかけることで負荷に耐えられるものかをよく確認する。

また2m以上の高さを登る際には落石に注意する。登る人は石を崩さないように慎重に登り、下にいる人は登っている人の下には近づかないようにし、絶対に上を向かないようにする。過去、ケイバー同士のファンケイビングで、上を向いていた人の顎に落石が直撃して数針縫うような怪我をしたという事例がある。

チムニーイング(煙突登り)

メアンダートレンチ等、左右の壁の距離が近い場合はチムニーイングでの登攀が可能。両手・両足を壁につっぱるようにしてバランスを保つ。隙間が狭い場合は腕を折りたたんで二の腕で突っ張ったり、背中を壁にくっつけて両手で壁を押すようにしてつっぱると登りやすい。壁に凹凸があって手や足をかけられるようであれば利用しても良い。

チムニーイングは壁と足裏の摩擦が重要となるため、滑りにくい靴を履くと登りやすい。また泥や水が付着していると摩擦力が弱くなるため登りにくくなる。

安全確保が必要な場合

段差が3mを超える場合は滑落した際に足を怪我してしまう可能性がある。そのため、ロープを使用して参加者の安全を確保すると良い。具体的なロープ技術については次章にて解説する。
可能であれば安全確保用のダイナミックロープを10~15mほどと、カラビナ数個、下降機を一つ持ち歩いておきたい。

6章

Posted by kokubo