3.02 事前調査
概要
事故なく洞窟を探検するためには事前調査が重要となる。ここでは洞窟探検に出発する前にどのようなことを調べておけばよいのかを解説する。
洞口の位置
洞窟の入り口は大きくて遠くからでも目立つようなものばかりではなく、岩の隙間のような入り口であったり水の湧き出し口であったり、珍しいものではマンホールが洞窟に繋がっているタイプのものがある。
このように様々な形の洞口をスムーズに見つけるためには洞口の位置を正確に示した資料が重要である。GPSのプロットデータがあれば探しやすいが、地形図に点を打ったような資料であることも多いため登山の地図読みスキルが必要になることもある。
最も簡単で確実な方法は、一度行ったことのある方に先導してもらう方法である。
測量図、洞内記載
調査が進んでいる洞窟であれば既に測量図が存在していることもある。測量図があれば洞窟の規模や危険個所を事前に知ることが出来る。
洞内記載とは洞窟内部の状況を文章で説明したもの。洞窟の調査報告書では測量図と合わせて洞内記載が書かれていることもあり、測量図ではわからない注意点が書かれている。
これらの資料はその地域でよく活動しているケイビングチームであれば保有している可能性が高い。一般販売されることは珍しいため、洞窟学会や合同活動等で人脈を作って情報を集めることになる。
以下は洞窟の測量図で使用されている測図記号の一覧である。



洞口までのアクセス
まずは自動車でどこまで近づけるかを確認する。洞窟の多くは山奥にあるため、林道を通ってアプローチするケースが多い。Google Mapには載っていない道を通ることもあるため、国土地理院の地形図なども併せて確認するともれなく確認が出来る。
林道を調べるときは駐車場所も考慮する必要がある。地元の方が通行することがあるため、道を塞がないように止められる場所を調査する。
駐車場所の調査が完了したら洞口までのルートを調査する。登山道の近くであれば登山道を通っていくのが安全で確実だが、道なき道を行く場合は地形図&コンパス、若しくは登山用GPSを頼りに進むことになる。その場合は事前に地形図でアプローチしやすいルートを確認しておく。